



技術とは、知識・経験・思考力・発想力・技・論理・理屈・資格・言語などである。これらを活かすも活かさないのも、心の持ちようにかかっている。迷いつつも着実に理想に近づくために、持つべき精神性を明確にし、技術は手段として活用する。

一,社会調和・貢献の精神
論理や合理は大切だけれども、その痛快さに誤魔化されてはいけない。ある概念が論理的に説明されれば理解し易く受け入れ易い。また、難しい論理を理解することは向学心のある者にとっては快楽である。
しかし、そうした概念よりも、大切な概念があるかも知れない。現在までに論理的に説明がされていないというだけで、非論理的とのレッテルを貼り、その概念を否定すべきでない。むしろ、真に大切なものは、論理や合理で説明されるとは限らないとさえ考えるべきである。
人の感覚は鋭く、論理や合理だけの概念に違和感を抱くことがある。詭弁に対する反発や違和感がそれである。社会はそういう人間で構成されているのだから、企業もその感覚を大切にしなければならない。これを怠り独善の道を歩むと、企業は社会に受け入れられず、孤立し、社会調和や社会貢献から遠のいてしまう。
経済至上主義の競争原理や市場主義は、違和感を抱かせる筆頭である。よって、弊社では、徒に利益を追うことはしない。
また、差別や卑怯な振る舞いがいけないという概念も、論理や合理で説明は困難ではあるが、重要な概念であることは直感的に分かる。そうした概念も、企業の社会調和や貢献において重要な要素となり得るのだから、弊社では、差別を助長するような行動や発言、及び、卑怯な振る舞いは行わない。
当然ながら、法令は最低限の遵守事項である。
一,礼節の精神
礼節とは、尊敬・謙譲・丁寧の、「心」と「振る舞い」のことである。そして、人に対する礼節はもちろんのこと、地球や自然に対する礼節も大切にすべきである。
企業は社会においてはほんの一部であり、自然を前にすれば、極めて小さな存在に過ぎない。企業など、吹けば飛ぶ軽く儚い存在であるのだから、それを自覚し、社会に対し、自然に対し、礼節ある態度を持つべきである。
また、企業の発展を、対立構造の発想の下においてはならない。敵を作り、それに打ち勝つために努力する、というのは分かり易い論理である。また、競争社会を生き抜くために有用な面はあると思う。しかし、それでは相手を出し抜くことも正義とされ易いし、互いに尊重する機会も失われ易い。また、財力まかせの弱い者いじめや、慣習や信頼を裏切る卑怯な振る舞いをも、助長しかねない。いつ出し抜かれるか分からない不安で満たされた世界に生きたくはないし、そのような世界に向かう風潮に企業として手助けしたくはない。そのため、その危険を高めるであろう対立を軸とした考えには、弊社としては賛同することはできない。
そして、自然に対しても同様である。自然の脅威に対し、対立構造を築いてしまうと環境破壊を許容しかねない。自然を犠牲にしてまでして、企業を発展させるという発想はない。
弊社が求めるのは、短期的な勝ち負けではなく、長期的な社会の発展と、美しい自然の永続である。これらを至上の価値観とする以上、対立構造を軸としてはいけない。対立ではなく、礼節をもって、人と、自然と、向き合い、企業活動をすることを精神の軸とする。
一,進歩革新の精神
現在でも社会にとって有益な仕組みは多数存在し、人々の暮らしに役立っている。それらは、さらに促進させるに値する。しかし、悪循環に陥った仕組みも一方で存在し、これらは是正されなければならない。
企業が、社会や自然の中で存続していくにあたり、理想とされる在り方は、有益なものの促進に手を貸し、悪循環の是正に貢献することである。前者は進歩であり、後者は革新である。
いずれも重要で実現すべきことである。特に、後者の革新は、放置すれば益々社会に根ざしてしまう悪循環への挑戦であり、重要性は一層高くなる。また、抵抗勢力の存在が容易に予想され、前者ほどには簡単に実現できない。そのため、後者の実践には一層の努力と、並々ならぬ決意が求められることを、常に念頭に置いておかなければならない。
一,公明正大の精神
学識や技能に優れていても、公平でなく、卑怯な振る舞いを行ってはならない。そうした行いは、他者の信頼を裏切る不道徳な行為であり、競争社会に勝ち残ったとしても、後ろめたさを残す。
ひとたび後ろめたい行為に手をつけてしまうと、その後の対処は大変である。嘘や詭弁を塗り重ね、誤魔化し続けなければならない。その悪循環は大変窮屈なものである。仕事のやり甲斐を失うどころか、不意打ちや駆け引きの応酬により、膨大なストレスを抱える結果を招く。
また、不意打ちや駆け引きの応酬は、自己の不利益だけではなく、同僚や部下、取引先等の諸々の関係者に多大な迷惑をかけてしまう。
何事についても、後ろめたさのない行為や発言に徹するべきであり、公明正大であるべく、仕事のあらゆる過程において、公平であることと、卑怯を排除することを、大事にすべきである。喜々とした態度で仕事が続けられるよう、伝統的な価値観や道徳観を大切にし、成長を犠牲にしてでも品格を求め、後ろめたさのない、社会の模範とされる企業活動を心掛けなければならない。
一,首尾一貫の精神
その場しのぎや、思いつきによる場当たり的な言動を行ってはならない。そうした一貫性のない行為や発言は、顧客を徒に振り回すことが容易に予想される。また、経営者に一貫性がなければ、従業員を振り回すことになる。
真に信頼され尊敬される企業を目指すのであるから、少なくとも目前の顧客や関係者からは信頼され、尊敬されなくてはならない。そのため、一貫性のない言動は控えなければならない。
徒に他者を振り回すことのないよう、企業理念を基軸に一本筋の通った、一貫性のある企業活動を実践する心構えが必要である。

